農業で儲かる野菜は何?大事なのは「どうやるか」

農業
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どうも、ネギボウズです!

今回は、
度々話題になる
「儲かる野菜」
についての記事です。

数々の野菜がある中でどうせやるなら
儲かる野菜を栽培したいですよね!

儲かる野菜=時給換算して高い野菜

まず、
儲かる野菜というのは具体的にどのように
判断できるかということですが、

儲かる野菜=時給の高い野菜

と言い換えることができます。

人間が1日中働いたとしても24時間
しか働くことができません。

実際にはそんなに働ける人はいないのですが
野菜の種まきから出荷までにかかった
労働時間で売り上げを割ると
儲かる野菜かどうかが分かります。

上位を占めているのは
施設栽培ではトマトやキュウリなどの「成りもの」
露地栽培ではレタスやキャベツなどの「玉もの」
です。

農水省のサイトを見るとわかる通り、
これらの野菜は時給換算するとかなり高時給になります。

しかし!

このデータというのは現場の人間からすると
どこまで信用に値するのだろう?
という疑問が尽かないものです。

もっと言えば、
儲かる野菜を探すのではなく
どのように栽培するか?
どのように販売するか?

ここを考えることが大事なのです。

以下、
その理由を説明します。

農水省が発表しているデータは方法論が抜け落ちている

まず、
キャベツ(10a)を例にとって考えてみましょう。

粗収益  経費  所得  労働時間
キャベツ  39万  21万  18万   90時間

農水省が発表しているデータではこのようになっています。

しかし、
本当にこの通りになるでしょうか?

現実はなりません。

まずもってこのデータというのは
どのように栽培しているか?
という方法論が抜け落ちているので

僕からすると
「ほとんど参考にならない」
と言わざるを得ないというのが本音です。

もしこのデータが本当なら
僕の地域では長ネギなんて作らず
キャベツやレタスばかり栽培していることでしょう。

しかし現実には
キャベツやレタスを栽培している農家さんは
少なくとも僕の地域には殆どいません。

長ネギのほうが儲かるからです。

キャベツに話を戻すと、

まずこの粗収益というのは
どのようなキャベツを
どこに売ったのか?
ということが全く分かりません。

種まきは手でやったのか機械でやったのか
育苗や定植や防除は機械を使ったのか
農薬はどれくらい使ったのか

農協に出したのか
直売所に出したのか
直接販売したのか

キャベツは1小売りなのか
キロ売りなのか(1キロいくらで売るやり方)

何月に出荷したのか

など、
不確定要素が多すぎるため
あまり参考にならないのです。

まず粗収益39万円というのは
かなり高い数字です。

キャベツのキロ単価が4~50円程度なので
10aで8トン程度収穫できないとこの数字には
届きません。

しかしこの8トンというのは
とてつもない数字です。

素人が真似してすぐに達成できる数字では
ありません。

実際には畑で病気にかかったり、
奇形になったり、
渇きで枯れたりして株数が減少します。

僕の会社でもせいぜい6トン程度です。

しかも、
仮に8トン取れたとしてすべて奇麗に
かつ収穫適期に出荷しきらないといけません。

そのような販売のあて先があればよいのですが、
行き当たりばったりで栽培していると
キャベツは作れたけど売り先が見つからず
泣く泣く廃棄処分するしかないということに
なりかねません。

また、
労働時間についても不明で

例えば種まきもプラグトレイに手で種をまくと
20枚/1h程度ですが播種機を使えば
200枚/1hと10倍もの開きがあります。

定植も手で植えると
5枚/1h程度ですが定植機を使えば
20枚/1h程度に短縮できます。

このような条件を無視して
一概に儲かる儲からないということは
議論できないということです。

もっと言えば、
このような条件を無視してでも一番大事な
要素は「売り先」です。

売り先に見当がついていない栽培はギャンブルと同じ

売り先に見当がついていないまま、
とりあえず栽培してから販売しようとすると
まず間違いなく失敗します。

いわば「ギャンブルと同じ」と言えます。

会社でいうと
売り先を決めずに新商品を開発しているのと同じです。

野菜ができてからだと、
全国の他の農家さんも同じように栽培しているので
同じように売りたがります。

なので、
単純に競争が激化します。

今、
就農したい地域でブランド野菜があり
多くの農家さんが出荷している農協や市場があれば
そこをまずはメインの出荷先とするのがよいでしょう。

そのうえで自分なりの販売ルートを少しずつ
開拓していき信用を築き
単価の高い販売先をメインにしていくのです。

僕の知っている限りでは
キャベツでも安いところだと30円/kg
高いところだと80円/kg
という倍以上もの開きがあります。

同じものを出荷しても倍以上の開きがあるという現実。

30円のところに出荷すると、
80円のところに出荷するよりも
倍以上出荷しないと同じにはなりません。

人間の労働時間には上限があるので
現実には倍以上働くということ自体難しいですが…

だからこそ、
販売先にこだわるというのはとても大事なことなのです。

ですが現実には、
このような好条件で取引してくれる取引先というのは
そう簡単には見つかりません。

色々な会社に掛け合って、
たまたま良い条件でということが多いです。

ここは地道に探すしかありません!

まとめ

如何でしたでしょうか?

これから農業をやりたいという人にぜひ
知っておいてもらいたいこととして

「野菜よりもやり方」

この考えを徹底してもらえたらと思います。

日本の農業というのはまだまだ未発展の部分が多く
アイデア1つでガラッと変わる可能性のある業界です。

個人的にはアイデアに自信のある方は
絶対に成功できる業界だと思います!

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