農業法人とは、簡単に言うと農業で稼いでいる会社のことです。
野菜や米、麦などを会社自ら生産して販売しているところや、他の農家から野菜や穀類を買い入れて、業者に販売しているところ、生産から加工まで一貫して手掛けているところなどその種類は多岐にわたります。
農業法人で多いパターンが、元々1個人で個人農家としてやっていたところが規模拡大して法人化するパターンです。実際、僕の勤務している法人もこのパターンですし、近所の農業法人もほとんどこのパターンです。
今回は、農業法人に勤務した場合の待遇について書いていきたいと思います。
農業法人は意外と誰でも入社できる!?
まず、農業法人に勤務したいと思った場合その理由は様々だと思いますが、そもそも入社できるのかどうか?という問題があります。
しかし、よほどのことがない限り採用されることが多いです。(極端にコミュニケーション能力がなかったり、明らかにおかしい場合などを除いて)
ご存じの通り、日本の農業は高齢化によりどんどん人手不足になっており、農業を志す若者というのは大変貴重な人材です。法人側も、人手が欲しいところが多いので一般的な会社のように気構えなくて大丈夫です。
実際私の働いている会社は面接も社長と笑い話をするような感じでかなり緩かったですし、スーツを着て就職活動をしたことがある僕からすると不思議というか、独特な感じでした。
どちらかというと、割とフレンドリーな感じで話ができる人が欲しいのだろうなという感覚です。農業法人の社長は前身が農家であることが多いので、そういう人が多いのだと思います。
逆に、他が良くても暗い人には難しいかもしれません。まあこれはどこの会社でも同じだとは思いますが…
明るく、ハキハキしゃべっていれば面接は全然心配いりません!
農業法人の年収は?年収200万円以下のところも…
農業法人に勤務した場合の一般的な年収というのはどれくらいなのでしょうか?
これはもちろん応募する農業法人によりますが、野菜を生産している農業法人の正社員ですと初任給16~18万円程度のところが多いようです。
16万円ですと1年換算で単純に192万円ということになります。これだと200万円を割ってきますので、何かしらの手当てがないと生活がかなり厳しいということになります。
最近では初任給20~22万程度のところも出てきており、待遇もかなり良くなってきている感じはありますが、給料以外の部分もよく見ておかなければなりません。
例えば、待遇のところに「昇給あり」と記載されていない求人もあります。この場合、年数を重ねて経験値は積めても、お給料は一向に上がらないということになります。
例えば、新規就農を目的として数年間働くということであればこれでも問題ないでしょうが、長く働きたいという場合はちょっとマズいことになりますよね。
僕の会社はある程度までは昇給しますが、それ以上の保証がありません。なので現状、これ以上の昇給の見込みはないということになります。
自分一人生活するだけなら良いかもしれませんが、家族を養うとなると年収300万でも厳しいものがあると思います。
大体、野菜の生産だと月給の上限を25~30万と設定している農業法人が多いです。つまり、年収300~360万円で頭打ちになる可能性は十分にあります。
例えばここに、「賞与あり」「通勤手当あり」「住宅補助あり」などの手当てがあるとすれば、年収400万円程度は可能かと思います。
更に、農場長や部門長、エリア長などの役職が存在する法人の場合は「役職手当」が別途支給される可能性もあります。
こうなってくると年収5~600万円も現実的になってきます。だた、そこまでになるには現場で少なくとも5年~経験を積み、部下のマネジメントや会社運営までできるようにならないといけないことが多いでしょう。
役職があるかどうかはかいしゃにもよるので、できれば応募時に確認しておきましょう。
今まで述べてきたのは野菜の生産法人についでですが、酪農法人の場合は初任給25万~というところも多いです。
ただ、求人を見ても分かる通り酪農は勤務時間が長く、生き物相手なのでかなり大変だということは覚悟しておく必要があるでしょう。
後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、ここら辺の条件は応募時に必ず確認しておくことをお勧めします。
農業法人の年間休日日数の目安は?有給や祝日など
農業法人の年間休日日数はどれくらいなのでしょうか?
法人にもよりますが大体月6日というところが多いです。
やはり農業ですので、休みは少ないと覚悟しておきましょう。祝日や土日を休日にしている法人を探すのはかなり難しいです。
月に6日ですと年間休日は72日ということになります。
僕の体感ですが、この日数はかなり少ないと感じます。祝日もないのでせめて完全週休2日は欲しいな…という思いです。今でこそ体が仕事に慣れているので何とも感じませんが、入社した当時はなかなか堪えるものがありましたね…
ただ法人によっては完全週休2日、祝日祭日お休み、長期休暇ありなどという待遇のところもあるにはあります。(かなりレアケースですが…)
僕の同僚が転職してそのような好待遇の農業法人に転職しましたが、3日に1日くらいは休んでるんじゃないかってくらい休んでて羨ましいな~と思ってます(笑)
あとは、比較的待遇がいいのは大手企業傘下の農業法人ですね。
ローソンファームやイオンファーム、セブンファームといったところです。こういうところは母体がしっかりしているので流石の待遇面ということでしょう。
因みに有給休暇が取得できるかどうかは法人にもよりますが、僕の会社は何の問題もなく取得できます。
繁忙期などは取りたくても取れない会社もあると思うので、ここも事前のリサーチが必要です。
残業はあるの?
残業についてですが、僕の会社は1年を通じて殆どありません。
これは個人的には良いところだと思っています。
ただ会社によっては繁忙期は夜の10時まで残業してもらうというところもあります。
「いや、そんな時間まで何をやってるんだよ」と思う方がいるかもしれませんが、農家の仕事は外で野菜を収穫するだけではありません。
夜は作業小屋の中で電気をつければそれこそ夜通し作業ができてしまうのです…(恐ろしい)
僕の会社でも、法人化する前はてっぺんまで仕事をしていたと聞きますし、農家が夜中まで仕事をしていてもおかしいことではないのです。
近所のトマト農家さんなんかはハウスに電気をつけて夜中ずーっと作業していて大変そうだなあ…と思って見ています。
残業代は支給されなければいけないのですが、ブラックなところだと多少はサービス残業扱いにされるところもあるかもしれません。
残業と残業代については、入社前に遠回しにでも確認しておいた方が良いでしょう。
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